コラム

『キャッシュレスは災害時に弱い』は本当なのか?

9月6日(木)午前3時8分に、北海道を襲った最大震度7の大地震。明かりに灯された街の景色は、停電の影響で一面真っ暗になってしまいました。

停電の影響は個人の自宅のみならず、店舗にも影響が及びました。電子マネーなどのキャッシュレス決済ができない問題が発生しているとの報道も出てきました。

海道で最大震度7を観測した地震の影響で現金を使わないキャッシュレス決済が利用できなくなり、災害時の非現金決済の脆弱(ぜいじゃく)性が浮き彫りになった。道内全域で停電が発生し、決済情報を処理できなくなったことから、“買い物難民”に陥る人が発生した。

引用:キャッシュレス決済、災害に脆さ 停電でカードなど使えず – SankeiBiz

記事の中では、『災害時の非現金決済の脆弱性』とされています。

キャッシュレス決済(クレジットカードや電子マネー等)では、レジやカードリーダーで使う電気とインターネット回線が必要です。確かに『脆弱性が見えた』とも言える状況ではありますが、キャッシュレスを否定する材料としてはとても無理があります。

今回の地震で…

従来のレジが災害に弱かった!

という問題が浮き彫りになっただけだと思っています。使っていた端末やサービスに問題があっただけで、他の選択をしていれば問題は最小限に抑えられたはずです。

Squareならオフラインでもクレジット決済は可能だった

 

Cashless JAPAN
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今回の震災で言われているのは、クレジットカード決済ができなかったこと!でも、Squareを使っていたなら解決できていたかもしれなかったんです。

クレジットカードは、クレジットカードを読み取ってインターネット回線を通して(オンライン)決済処理が行われます。今回の地震では、インターネット回線も止まってしまったため、通常ではクレジットカードや電子マネーでの決済は行うことができません。セイコーマートで使われていた決済端末はオンラインでしか稼働できないものだったために、発生した問題でした。

インターネット回線を必要とせず(オフライン)決済対応ができれば発生しなかった問題です。キャッシュレスが悪いのではなく、使っていた端末が良くなかったのです。

この問題を解決できる魔法のような端末やサービス、実は2014年から存在しています。Twitter社のCEO『ジャック・ドーシー』が創業したSquare社の『Square』というサービスです。

Squareではオフライン状態でもクレジットカード決済を受け付けることができます。オフラインモードに切り替えると、インターネット接続を必要とせず稼働します。受け付けたクレジットカード決済は、オンライン状態になったタイミングで本決済が行われます。

オフラインで受け付けたクレジットカード決済は、72時間以内に本決済を完了させる必要がありますが、不測な事態にも対応できるように考慮されているのです。もしも、セイコーマートがSquareを使っていたら、このような議論も発生しなかったでしょう。(電子マネーは使えないので注意が必要です。)

キャッシュレス化を考える際には、思考停止で『キャッシュレス化するぞ!』ではなく、適切に判断してサービスを選ぶべきであることが、今回の騒動で判明したのです。

Cashless JAPAN
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Squareのオフラインモードはすごく良いけど、注意が必要!オフラインモードでは支払いが滞っているカードや偽装カードの検証ができないので、その場では決済完了とされます。オンラインに戻った後に正しいカードではない請求は本決済されないため、後日カード会社に問い合わせるなどの対応が必要になる可能性もあります。

 

Square以外にもオフラインでキャッシュレスは実現できるはず

キャッシュレスサービスでは、『LINE Pay』や『Origami Pay』など多数ありますが、現状ではオフラインでは決済ができません。しかし端末間でペアリングをし、お互いの端末に決済情報を保存しておき、オンライン状態になったときに、該当アカウント間でトランザクションを行うするなどの方法で決済は可能だと思います。(近距離無線通信技術を使った方法もありそうですね。)

 

災害時だからこそ、キャッシュレスという考え方もあります。大型のPOSレジの電力とiPadレジの電力を比べたら圧倒的にiPadレジの方が省電力です。停電時に少ない電力で、長い時間使えるiPadレジはかなり優秀だと思います。

 

災害時の弱さは現金、キャッシュレスどちらにもある

キャッシュレスだけが災害に弱いと思わがちですが、現金も災害には弱いものです。スマホは常に身につけているので、パッ!と逃げ出したときには自動的に付いてくる人が多いでしょう。

しかし現金は財布に入っており、わざわざ『財布を持っていかないと!』と思考して持ち出さなくてはなりません。

災害などの緊急時にはすぐさま逃げるなどのアクションをしなくてはなりません。『お金を持って行動する』という考えは『生き延びる』よりも優先度は低いものです。逃げる際に現金を持ち出し忘れてしまい、財布が紛失してしまうと所持金は0円です。これは現金の最大の脆弱性と言えるでしょう。

キャッシュレスではどうでしょうか?電子化されたお金は、手元にはなく世界中のサーバー上にデータとして保管されています。そのデータは自分のアカウントと紐付いています。もしも現金やスマホを持ち出すのを忘れてしまったとしても、アカウント情報さえ覚えていれば所持金はそのままです。停電時などでは使えないかもしれませんが、復旧した際には問題なくお金を持っている状態になります。

 

紛失の可能性 停電時 ネット回線
現金 あり
キャッシュレス なし

現金とキャッシュレスには、それぞれに向き不向きがあります。ですので、最適な方法は現金とキャッシュレスを両方持つようにすることです。どちらかに寄るのは良い方法ではありません。リスクを分散しておくことが最適な方法だと思います。

 

今回の災害で学ぶべきこと

本記事では、『キャッシュレスは災害には弱いわけではない』ということを見てきました。今回の災害で学ぶべきことをまとめましょう。

これだけは抑えておこう!

・オフライン対応ができる素晴らしいサービスを選べ!
・どんな状況にも対応できるように、リスク分散をしておけ!(50%現金、50%キャッシュレスなど)
・店舗は大型POSレジではなく、省電力なiPadレジアプリを使え!

この3点にまとめることができます。

この記事を読んでも、私は現金しか持たないよ!
という考えの方は<『災害時こそ現金を持つべきだ』という人に考えてほしい>という記事も読んでみてください。

『災害時こそ現金を持つべきだ』という人に考えてほしい2018年7月2日に、産官学による日本のキャッシュレス推進母体として中立的な討議の場として『キャッシュレス推進協議会』が設立されました。...

現金の良さも認め、キャッシュレスの良さも認め様々な選択肢を持っておくべきです。Squareはとても素晴らしいサービスですので、どのレジアプリを契約するか迷っているのでしたら、Squareも候補に入れてみてくださいね。