コラム

【なぜ】日本のキャッシュレス化が進まない理由とは?メリットやキャッシュレス推進の理由が認知されていない!

2018年4月に経済産業省から公開された「キャッシュレス・ビジョン」では、2015年時点で日本国内のキャッシュレス決済比率が「18.4%」との調査結果が明らかになりました。同資料によると、

韓国 89.1%
中国 60.0%
オーストラリア 51.0%
アメリカ 45.0%
インド 38.4%

というように、各国で50%近くのキャッシュレス決済比率となっています。いかに日本で現金が好まれているかがお分かりかと思います。

この調査結果が発表されてから、TV等のメディアがキャッシュレス関連ニュースを積極的に取り上げるようになりました。当然ながら決済サービスの盛り上がりの結果でもありますが、それを後押しするかのように少し先行して刻印の意識を変えようと前向きな姿勢が伝わってきます。

「普及している」とは言えない現状

日本の決済サービスのプレイヤーや各メディアが普及を進めようと頑張っていますが、いまいち浸透するには至っていません。Twitterでは度々トレンドに上がるなど、一見十分に普及しているように見えますが、そもそもアナログな人たちとの情報収集能力の差があることを考慮すべき必要があります。多くのSNSユーザーは新鮮な情報に触れる機会が多く、トレンドを見る癖が付いていることでしょう。

筆者の周りの人たちは、決済サービスを知らないどころか「キャッシュレス」という言葉すら知らない人も珍しくありません。そんな人たちは大きく話題となったことも知らなかったり、知っていても面倒くさいで済ませてしまっているのです。このタイプの人たちに普及させるためには、やはり国の力が必要となってきます。

現在でも国がキャッシュレス化を後押ししていますが、それでも現状の普及具合に留まっている状態です。

キャッシュレス化が進んでいない原因は?

では、一体なぜキャッシュレス化が進んでいないのでしょうか?これには様々な理由があると考えています。

  • 日本国民が正しい知識を持っていない。
  • 普及をさせる理由の説明が不足している。
  • 個人でもキャッシュレス化するメリットを知らない人が多い。
  • 国が主導してIT化した実績が無い。
  • 結果を求めるにはまだ早すぎる。

それぞれの項目について具体的に見ていきましょう。

1.日本国民が正しい知識を持っていない。

キャッシュレスを日常的に使うためには、「クレジットカード」が必要だと思いこんでいる人が大勢います。確かにクレジットカードを持っていると便利ではありますが、「必ず必要という訳では無い」のです。

この「クレジットカード」がキャッシュレスを使うことの壁になっているのは、以下のようなハードルがあるためです。

クレジットカードのハードル
  • 高校生を除く18歳以上。(中学生・高校生は作れない)
  • 与信審査に通る必要がある。(滞納履歴があると難しい)

これらに該当する人でも問題なくキャッシュレスが使えることが認知されていないのです。例えばLINE Payだったり、Kyashだったり、様々なサービスでプリペイドカードを発行しています。年齢を問わず、審査不要で作れることをもっと知ってもらう必要があると感じています。

誰でも使えることを周知させる必要がありそうですね!

2.普及をさせる理由の説明が不足している。

これも大きな理由の一つでしょう。「日本はキャッシュレス化が遅れている」、「中国はキャッシュレス化が進んでいる」という記事は多く目にします。しかし、「なぜキャッシュレス化させる必要があるのか?」という説明が不足していると思います。

また、キャッシュレス派の人でもこれを説明できる人も少ないのではないでしょうか?筆者もこのブログを運営しており、常にキャッシュレス化について考えていますが、「なぜキャッシュレス化をさせる必要があるのか?」と聞かれると少し答えに詰まってしまいます。

キャッシュレスを普段からお使いのみなさんはいかがでしょうか?

筆者がこの質問に答えてみると、

なぜキャッシュレス化を推すのか
  • 現金管理コスト(年間:8兆円)を大幅な削減が期待でき、本来行うべき仕事に全力を注げるので国全体が豊かになる可能性がある。(少子化で労働力の不足が懸念されており、労働力を最適化させられる。)
  • デジタル圏で発生する第四次産業革命には電子化したお金が欠かせないし、電子決済をメインに扱うことでお金の流れを加速させられる。(経済の活性化)
  • 来日外国人にお金を使う障壁を減らすため。(インバウンド対策)

主にこの3点を説明することになるかと思います。しかし、この説明では「俺には関係なくね?そんなん政治家がなんとかしろ!」と言う人も出てきそうですね。割と深刻な問題であり、本気でキャッシュレス化に向き合ってもらうきっかけ作りが不足していると感じます。

3.個人でもキャッシュレス化するメリットを知らない人が多い。

何事もメリットを知らないと手を出しづらいものです。キャッシュレスの分野でも全く同じことが言える状況なのだと考えています。一応ここでメリットについて解説しておくと、

キャッシュレスのメリット
  • カードやスマホを紛失際にもストップさせることができる。(現金は盗まれたら終わり)
  • LINE Payでは銀行ATMからアプリだけで現金が引き出せる。
  • 銀行口座と直結しているものであれば、ATMから引き落とさずに直接残高を利用できるので無駄なATM手数料がかからない。
  • お金を支払うだけでポイントが貯まっていく。
  • 場合によってはキャンペーンが開催されており、大きな還元を受けられる。

これらのメリットは現金には無いものです。「お得さ」を推していくのも重要ですが、「便利さ」もより強く推していくべきだと感じます。「メリットを知らない=普段から物事をイメージしていない」という可能性もあるので、映像化して誰にでも分かる形で認知させていく必要があるでしょう。

4.国が主導してIT化した実績が無い。

以前、こんなツイートをしました。

制度や普及にはある程度の「強制力」や「圧倒的リーダー」が存在している必要があると考えます。リーダーになったり、強制力を発揮させられるのは国が一番大きな存在です。しかし、国が先導して行ってきたIT化で何か成功したものは思いつきますか?

上記ツイートで挙げた項目を順に見ていくと、

日本政府の輝かしきITの実績
  • マイナンバーでは暮らしが良くなった実感はありません。むしろ提出の際に記入する手間が増えました。
  • e-Tax(国政電子申告・納税システム)では、未だに「Microsoft Internet Explorer 11
    」以外のブラウザは推奨されないという有様。(Safariは平成31年3月1日より推奨ブラウザの仲間入り)
  • サイバーセキュリティ担当大臣の桜田義孝氏は、「パソコンは触らないので、USBは知らない」
素晴らしい実績だ!!(白目)

という酷い有様で、信頼しろとは言いづらい黒歴史の数々が目立ちます。「こんな国が推奨するキャッシュレス!」あなたは使いたいと思いますか?

5.結果を求めるにはまだ早すぎる。

2020年に東京オリンピックがあるので、「2020年までに実現させなくてはいけない」という潜在意識もありそうです。そのため「遅れている」と錯覚している可能性もありそうです。

キャッシュレス・ビジョン」では2025年までにキャッシュレス決済比率「40%」を目指すとしており、将来的には世界最高水準の「80%」となることを目標としています。ですので「キャッシュレス化が遅れている」は正しい表現ではない感じもします。(この記事で散々使った表現ですが…笑)

ここ2年くらいでキャッシュレス化が叫ばれるようになったばかりであり、急な変化を求めすぎている部分もありますね。物事には順序がありますし定着には時間がかかるものなので仕方がありません。(かと言って気を抜いて良いという訳ではありません。)

何が言いたいのか

この記事で言いたいことは、「焦るな、時間が解決する」です。もちろん何もせずに待っていても絶対に普及はしません。決済サービス各社の普及活動は継続して頂く必要があります。キャッシュレス推進派のユーザーの方々も口コミを行ったり、時には分からない人を手伝ってあげたりしましょう。

キャッシュレス生活を夢見るみなさんは「現金しか扱ってないお店は行きたくない」と考えていますよね?地道な口コミ活動によって、みなさんの生活が豊かになる未来が近づくことは間違いありません。

(決済サービスには、送金デモなどが体験できる機能を付けて欲しいなぁ…。利用イメージってマジ大切。)