コラム

今さら二千円札!?キャッシュレス時代に適してる説【災害のお金の備え】

マグニチュード6以上の地震の20.5%が日本で発生していると言われており、日本は世界有数の自然災害が多い国の一つです。死者・行方不明者2万2000人を超す甚大な被害をもたらした東日本大震災をきっかけに、日本国民の防災意識は高まり、防災グッズの準備や避難所の確認など、自然災害に向き合う姿勢を持つ人は増えています。

これだけ防災意識があれば完璧かと思いきや、まだ足りていない視点があると考えています。それは「お金」のことです。ここで取り上げるのは地震保険など「その後のお金」ではなく、「災害現場でのお金」のことです。考えてみると当たり前の視点ですが、昨今のキャッシュレスに対する批判意見を耳にしていると、軽視されているような感覚があります。

2018年に発生した北海道大地震の影響で約295万戸が停電し、99%の復旧に2日かかる出来事がありました。この地震のタイミングで「キャッシュレス」という言葉が広まりだしたため、「キャッシュレスと災害」について考える人も増えたのではないでしょうか。

このような背景がありながら、日本政府はキャッシュレス化を推進する動きを見せています。キャッシュレス決済は電気・通信のインフラが整っている状態で機能します。北海道大地震によって、キャッシュレス決済が使えないという問題が多くの人に知られるようになったと思います。それ以降、「キャッシュレスは災害に弱い」というテーマで活発に議論が交わされるようになりました。

「キャッシュレスは災害に弱い」は間違いではありませんが、現金派とキャッシュレス派の間にこの問題に対する向き合い方にズレがあると感じています。

そこで、この記事では「キャッシュレス時代のお金の防災」について考えていきます。

この記事で何が分かるの?
この記事で分かること
  • キャッシュレス時代のお金の防災について分かる!
  • 二千円札を常に携帯しておくと良いことが分かる!
  • なぜ二千円札なのかが分かる!

北海道大地震で浮き彫りになった「キャッシュレスの問題」

Cashless JAPANでは、過去に「キャッシュレスが自然災害に弱いという訳ではなく、使用していたシステムが災害に弱かっただけ」という内容の記事を公開しています。興味のある方は下記をご覧ください。

上記の記事で語っているのは理想であり、現実にはSquareなどのオフライン対応システムを導入しているお店は多いとは言えません。上記の記事は「店舗の経営者・責任者」にフォーカスしているため、利用客としてはお店側が対応してくれなければ使えないままです。

現状で言えば、キャッシュレスは災害に弱いと言わざるを得ないかもしれません。

だからと言ってキャッシュレスを避けるべきか?と言われると、そうではありません。キャッシュレス派が災害時に弱い立場になってしまう現状を乗り切る方法を考えておく必要があります。

キャッシュレス派は諦めて野垂れ死ぬしか無いのか?

このような極端な考えを持っている人は少ないと思いますが、この問いにはハッキリと「そんな訳が無い」と否定しておきます。キャッシュレス派の人たちは各個人で考えを持っていると思いますが、今回はキャッシュレスについて日々考えている筆者の「災害時のお金のこと」についてご紹介します。

筆者の普段のキャッシュレス装備は下記の6つです。

  • スマートフォン本体(Android)
  • 手帳型スマホケース(カード入れx3、内ポケットx1)
  • クレジットカード(Visa)x1
  • LINE Payカード(JCB)x1
  • 運転免許証(身分証)
  • 現金紙幣

スマートフォンに手帳型スマホケースを装着しています。手帳型スマホケースにはカードを3枚まで、紙幣を入れれる程度の内ポケットがあります。カードスペースには、クレジットカード(VISA)・LINE Payカード(JCB)・運転免許証を入れています。内ポケットに現金紙幣を入れています。

上記のキャッシュレス装備では、次のような使い方をしています。

QUICPay対応店であればQUICPay、対応していなければJCBのLINE Payカード、これにも対応していなければVISAのクレジットカード、それ以外は現金という流れでどの状況にも柔軟に対応できる環境にしています。この柔軟性を持ちながらも、全て手帳型スマホケースに収まっているため、スマホ1台だけを持ち歩いている感覚で快適です。

カード類ではVISAとJCBと分けている点もポイントです。JCBに対応していないお店ではVISAが対応しています。逆にJCBに対応しているがVISAに対応していないお店は珍しい存在です。圧倒的にVISAの方が使用できる確率は高いので、VISAをクレジットカードにしています。

遠出するときやカフェ等でパソコン作業をするときは、財布の入ったリュックを背負っています。前ポケットにスマートフォンを入れて、可能な限りキャッシュレス決済で完結させています。前ポケットの出し入れだけで済み、支払いのためだけにリュックを下ろして財布を取り出すという手間を極限に省いています。(ウォレットレスを意識して生活することをウォレットレス・ファーストと呼んでいます。)ウォレットレス・ファーストについては下記記事をご覧ください。

この装備で気になるのは「現金紙幣」の存在だと思います。

それでは、具体的にこの現金について見ていきましょう。

キャッシュレスと二千円札の相性が良い

先程「現金紙幣」と紹介しましたが、具体的な額面は「二千円」です。それも千円札2枚ではなく、二千円札にして持ち歩いています。各紙幣のメリット・デメリットを払う側と受け取る側の視点で考えてみると、二千円札が最適解であるという判断になりました。

筆者が考えた二千円札を持つことのメリットを下記にまとめました。

  • 二千円札だと1枚だけなので、かさばらない
  • 二千円あればそれなりに買い物ができる
  • 二千円ぐらいなら使い切ることができる。(お釣りは災害時すらお店側に負担をかけることになるため、使い切ることを考えたい)
  • お店側に「釣り銭が用意できない」と言われたときに、お釣りを断っても精神的ダメージを軽減させられる
  • お店側に二千円札が渡ったときに、お釣りとして活用してもらえる
  • 他のお客さんが二千円札をお釣りとして受け取ると「運が良い」という気になってもらえそう。

二千円札が最適解であるとしましたが、最も最強なのは「千円札を複数枚を持っておく」です。しかし、災害に備えて普段から持ち歩くには厚みが出てしまい邪魔に感じてしまうと考えました。個人的には受け入れられない選択だったため、二千円札を選択しました。

日本銀行券には千円札や二千札以外にも、五千円札・1万円札があります。これらについては、それなりに問題があると考えています。

<五千円札の場合>
五千円を使い切るのは難しいし、お釣りを断わるには金額がやや大きい。家族持ちであったり、災害時に物資を配る想定であれば五千円は使い切れると思うので良い選択。

<1万円札の場合>
お店側に渡ったときお釣りとして活用して貰えない。使い切るのも難しいし、お釣りは絶対に断りたくない。利用者側の勝手な都合であり、最も最悪な選択肢。

使い切る?お釣りぐらい用意しておけよ!

利用者側の気持ちとしては、お店を開いているのであればお釣りを用意して欲しいと思うでしょう。でも、少し考えてみてください。100人連続で1万円札しか使わないお客さんが来たら…?確実にお釣りは無くなります。現金はどこでも使えて便利ですが、とても脆いシステムなのです。加えて、お釣りはお店側が銀行等に行ってお釣りを用意している、ということも知っておくべきです。

様々な視点で「現金」について見ていくと、どのような行動をするべきか見えてくるでしょう。

普段はキャッシュレスに切り替えておくべきですし、災害時でキャッシュレスが使えないときには二千円札など予め用意しておいた現金紙幣を使っていきましょう。現金「だけ」やキャッシュレス「だけ」というゼロイチで考える必要はありません。現金の長所・短所、キャッシュレスの長所・短所を知り、適切な選択を行うべきです。

ここが現金派の人との大きなギャップだと思います。

まとめ:自分都合だけではなく、受け取る側のことも考えよう !二千円が両者にとって都合の良い選択

現金派の人たちの多くは、自分の都合だけを考えている印象を受けます。キャッシュレス派は現金とキャッシュレスの本質を見て比べていますが、現金派はキャッシュレスを使わずに結論付けているのではないでしょうか?

そんな現金派の方々たちに、我々キャッシュレス派は感謝すべきだとも思います。キャッシュレスならお店側にお釣りを準備させる負担を軽減させることができます。しかし、キャッシュレス派が災害時に備えて現金を持つ選択ができるのは、現金派の人が多く居てくれるおかげでもあります。完全キャッシュレス化してしまうと、現金を一切用意しないお店も出てくることでしょう。これでは災害時に苦しい思いをすることになると思います。このような想像をした結果、筆者は完全なキャッシュレス化には反対意見を持っています。

少し話を戻しますと、二千円札はキャッシュレス派が災害時に備える現金紙幣として良い選択ではあります。ただし、自動販売機などでは使えない、という最大のデメリットがあります。生死に関わる緊急性の高い物資調達であれば、周りの人たちと助け合うべきです。また、避難所などの公共施設では「緊急時飲料提供の自動販売機」が設置されており、緊急時に無償提供を行ってくれています。災害時に自動販売機で「買う」自体が必要無くなり、二千円札が使えないというのは大きな問題ではなくなってきています。(コカ・コーラは2011年時点で6,000箇所、サントリーは2010年時点で4,200箇所)

この記事で話している二千円札が災害に備えた最適解とは、あくまで停電程度の障害が起きているなど、買い物ができる程度のことを想定しています。命の危機があるほどの大規模な災害時には呑気に買い物をしている余裕は無いですし、救援物資を受け取るようにしましょう。

お店は開いているが、ATMやキャッシュレスだけ使えない状況になってしまったという時に向けての対処法ということだけご理解ください。