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スマホ決済の主導権争いに終止符か!?LINE Pay据置端末のポテンシャルを紐解く

ベンチャー企業から大手企業まで、各社がスマホ決済業界の主導権を握ろうと熾烈な競争を繰り広げています。中でも『LINE』は他社の追随を許さんとする程、前代未聞のプロモーションを行うなど大きく力を入れています。LINEデリマとの連動ではありますが、注文金額の77%をポイント還元キャンペーンを展開するなど、意味不明なレベルのキャンペーンを実施してしまう程にLINEの本気さを伺い知れます。

主導権を本気で取りに来ているLINEが2018年7月末に素晴らしい製品の発表を行いました。LINE Pay専用の据置端末『LINE Pay ORIGINAL DEVICE』の発表です。Cashless JAPANでは、この据置端末がスマホ決済の主導権争いに終止符を打ち、決済の定番アプリとして『LINE Pay』の定着に一層の加速が進むと考えています。

なぜ『LINE Pay ORIGINAL DEVICE』の登場でLINE Payがスマホ決済の主導権争いに勝利すると考えているのか、をご紹介していきます。

LINE Payとは?

まずはLINE Payの基本情報をおさらいしておきましょう。LINE Payとはどのようなサービスなのか?を見直していきます。

名称 LINE Pay
決済方式 QRコード決済、LINE Payカード(JCB加盟店で利用可)、QUICPayと連携すればコンタクトレス決済も可。
チャージ方法 銀行口座、セブン銀行ATM、LINE Payカードレジ、コンビニチャージ
主な機能 個人間の送金、お買い物の決済(Web上、街中利用)、LINE Payリアルカード利用可、外部アプリとの連携(freeeなど)
手数料 【個人間の送金手数料】0円
【加盟店の決済手数料】2021年7月末まで無料(キャンペーン終了後は2.45%~)
キャンペーン等 【コード支払い促進】コード支払いで3.5%~5%のポイント還元。2019年7月末まで。
【加盟店の手数料無料】2021年7月末まで無料(期間終了後は2.45%~)

豊富な機能と強力なキャンペーンが並んでおりますね。加盟店が負担をしなくてはならない決済手数料が2021年7月末まで無料となるのは、『ちょっと試してみようかな?』のハードルを下げられて良い試みです。

それでは、上記の表を元に『良いところ』を見ていきます。

LINE Payの良いところ
  • 送金手数料が無料で利用でき、割り勘などを理由に少額送金を気軽に行える。
  • LINE Payカードを使って、JCB加盟店で通常のクレジットカードのように利用することができる。(残高をアプリですぐに確認ができる点も良い)
  • LINE Payが利用可能店舗を増やすことに本気で取り組んでいる。(ユーザーは使えるお店が無いと定着しない。加盟店の決済手数料が無料キャンペーンはそのことをよく理解している証拠)

送金手数料が何度でも無料で利用できるのは、とても良いサービスですよね。アプリ上にログが残るため、割り勘の際に『○○さん払ったっけ?』が無くなり、お金が原因のトラブルを回避することができます。LINE Payカードも手軽に入手できるので、クレジットカードを作れない中高生がWeb上の買い物を行う入り口を整える重宝されるサービスであるのは間違いありません。

LINE Payの良いところが分かったところで、今度は逆にLINE Payの『悪いところ』を見ていきます。

LINE Payの悪いところ
  • クレジットカードを使って自動チャージを行えない。
  • QRコード決済を使わないとポイント還元が弱い。

ポイント還元を目的として使っているユーザーにとっては、クレジットカードで自動チャージを行えないのは、最も痛いデメリットです。送金ができるLINE Payと似たサービスに『Kyash』というものがありますが、Kyashにはクレジットカードから自動チャージができます。

LINE Payには自動チャージ機能が無い

この違いは『コンビニATM出金機能』の有無が『自動チャージ』の存在を取り決めています。

LINE Pay Kyash
コンビニATM出金 出金できる 出金できない

LINE Payでクレジットカードでチャージができてしまうと、与信枠を現金化するというルートができてしまいます。

LINE Payで与信枠の現金化ルートの例
クレジットカード → LINE Pay → コンビニATM出金

法律としてクレジットカード与信枠の現金化が禁止されている訳ではありませんが、返済不可になる可能性が大きくクレジットカード会社が許可していません。

逆にKyashではコンビニATM出金ができないため、クレジットカードによる自動チャージが可能となっています。

LINE Payの多くのユーザーは、コンビニATM出金を使うタイミングはほとんど無いでしょう。しかし、LINEとしてはLINE Payを次世代の財布の位置を狙っているのだと見られます。キャッシュカードレス化し、スマートな財布計画を思い描いているのは『銀行口座からの自動チャージ機能』からも感じることができます。

LINE PayはQRコード決済をメインとさせたい考え

『QRコード決済を使わないとポイント還元が弱い』という特徴から、主な決済方法として『QRコード』を使ってほしいと考えていることでしょう。

しかし、当ブログにて過去の記事で『QRコード決済は日本には合わない』とお伝えしました。

QRコード決済のメリットとデメリット!利用者とお店の視点で考えよう中国では、『WeChatPay』や『Alipay』を使ったQRコード決済が広く使われています。街のお店や露店、さらにはレンタルサイクルや...

この記事で『日本に合う決済手段はコンタクトレス決済だ』とCashless JAPANとしての考えを配信しました。

でも、なぜコンタクトレス決済を推すCashless JAPANが、QRコード決済を主軸としたLINE Payに期待をしているのか?それが今回お話する『LINE Pay ORIGINAL DEVICE』が関わってきます。

LINE Pay ORIGINAL DEVICEって何?

LINE Pay ORIGINAL DEVICEとは、LINE Pay専用の決済端末です。QRコードを動的生成してスムーズに決済が可能になるプロダクトで、従来のLINE Payの煩わしさを極限に削減した革命的な端末です。

ここで、QRコードについて少しおさらいをします。QRコードには、『静的QRコード』と『動的生成のQRコード』の2種類あります。

静的QRコード(プリントQR)

静的QRコードは、別名『プリントQR』とも呼ばれます。事前に申し込みを行い、お店専用のQRコードが印刷されたボードのことです。

レジ前に設置して、お客さんにQRコードを読み取ってもらい、お客さん側で支払い金額を入力してもらって決済を行うときに利用されます。導入コストをかなり抑えることができるメリットがありますが、それなりにデメリットが存在します。

例えば、
貼りっぱなしなので、イタズラ目的で貼り替えられてしまうリスクがあります。お店に支払われるべきお金が第三者に支払われてしまう可能性も否定できません。

例えば、
レジ前でアプリを起動させ、読み取り、金額入力、支払い確認…とやるべきことが多く現金で払った方が早い…ということもあります。

静的QRコードには、お店とお客さんを繋げるための情報しか書き込まれていないため、どうしてもスムーズに利用ができなかったり、セキュリティ面で不安が残る…という大きな不安があります。

動的生成のQRコード

静的QRコードとは反対に、毎度新しく作り出されるQRコードです。QRコードを読み取るだけで、お店の情報や購入商品とか合計金額などを認識できます。

その都度、新しくQRコードを発行するため、貼り替えによるリスクが格段に減って、セキュリティ面からも安心して使うことができます。一般的にQRコード決済は動的の方が向いていると言われています。

LINE Pay ORIGINAL DEVICEは動的生成のQRコード!

LINE Pay ORIGINAL DEVICEは、この動的QRコードを手軽に且つお店側の負担も減らして使うことができます。

店員さんが合計金額を入力し実行ボタンを押すと、お客さん側に向いた画面にQRコードが表示されます。このQRコードを読み取れば、特殊な操作無くLINE Payでの決済が可能となるのです。

ん?結局QRコード決済じゃないか。何が良いのか…?

これでは、今までのLINE Payとは大きな違いはありません。LINE Pay ORIGINAL DEVICEにも特に大きな魅力を感じないことでしょう。

実はQRコードの生成機能以外に注目したポイントがあります。それがLINE Pay ORIGINAL DEVICEの概要に隠れています。

 

名称:LINE Pay 据置端末
本体サイズ(mm):H95×W80×D155
重量:約430g
接続方法:Bluetooth V4.2/Wi-fi/WCDMA/NFC*1
バッテリー持続時間:最長30時間持続、7,800mAh充電式バッテリー
QRコード表示画面:2.4”TFT-LCD(320×240)モノクロ表示
カラー:2色(グリーン、ホワイト)
提供国:日本・台湾 *2
利用料:通常時 月額1,500円(税別)*3

*1:サービス提供開始時において、NFC 決済は台湾のみでの提供となります。日本での展開は未定です。
*2:それぞれの国で加盟店申請が必要となります。
*3:最低利用期間は、当社が端末を発送した日が属する月の翌月から起算して1年間となります。

注目すべきは『接続方法』という箇所で、その中に『NFC』というものがあります。

これがスマホ決済でLINE Payが主導権を握る最大のポイントです。

NFCがLINE Pay主導権争いの勝利に導く理由

NFCとは、近づけただけで通信ができるスマートな通信規格です。日本のSuicaやiDなどの電子マネーをイメージすると分かりやすいと思います。その通信規格が決済分野との相性がとても良いのは、Suicaをお使いの方であれば十分に理解できていることでしょう。

NFCで決済することを『NFC決済』といいます。最近では『コンタクトレス決済』と一つの括りにしてしまうことが多くなってきています。Cashless JAPANでは、過去に『コンタクトレス決済に追い風が来ている』という内容の記事を公開しましたので、合わせてご覧ください。

QRコード決済はもう時代遅れ!ローソンがApplePay対応でコンタクトレス決済に追い風に! Origami Payや楽天ペイなどで、既にQRコード決済がキャッシュレス決済の定番となってきています。しかし、実際にQRコード決済を...

LINE Payでは、今までQRコードを表示して読み取ってもらう、もしくはQRコードを読み取って金額を入力して支払う、という方法で決済が行われてきました。この複雑で面倒な動作をすることなく、決済端末にかざすだけで支払いができる手軽さを待ち望んでいたユーザーは少なくないと思います。

ちなみに、これまでのLINE Payでもコンタクトレス決済は利用できました。しかしLINE Payカードを発行し、QUICPayと連携するという、キャッシュレスに興味が無い人からすると裏技的な方法でしかありませんでした。

特別な設定をすることなく、LINE Payが正式な機能として出すことで、一般の方でも簡単に使うことができます。(LINE公式発表ではないため、実装されない可能性もあります…。)

しかしNFC決済は、台湾でのみ利用が可能となります。LINE Pay ORIGINAL DEVICEのサービス開始時には日本で利用することができません。

NFC決済の開放のタイミングを予想する

iPhoneではCore NFCという機能が一般開発者に開放されています。しかし、この機能を使うためにはアプリを立ち上げる必要があります。バックグランドで自由にNFCを利用することができないのです。

最近になってiPhone Xよりも新しい機種で、アプリを立ち上げることなくNFCを利用できる仕様に緩和されてきました。その内容がApple Developerのページにありますので、参考ページを記載しておきます。(参考ページ:Adding Support for Background Tag Reading

日本 台湾
LINE月間アクティブ数 約7800万人 約2100万人
Androidの割合 約31% 約54%

※【参考資料】LINEのアクティブ数の資料はLINE株式会社が公開するIR資料『平成30年12月期 第3四半期決算説明会 プレゼンテーション資料』より。Androidの比率はアウンコンサルティング株式会社発表の『世界40カ国、主要OS・機種シェア状況 【2018年9月】』より。

日本よりも少ないユーザー数で、Androidユーザーの割合が大きく、スマホ決済に理解のあるユーザーが多い台湾で実験を行いたいのでしょう。

台湾で試験を行った後になると、日本でもバックグランドNFCが使えるユーザー数も増えているだろうし、そのタイミングで開放されるものと考えています。

問題解決に取り組むLINE Payが主導権争い勝利の可能性大

※上記はLINEが公開しているLINE経済圏のイメージ

今まで蓄積した友達リストを使って手軽に送金ができ、しかも送金手数料無料で、色々な方法でスマホ決済ができて、クレジットカードのように支払いができて、QUICPay連携ができ、NFC決済が可能になるかも…と盛りだくさんのLINE Pay。

LINE Pay ORIGINAL DEVICEの登場は、他社のサービスを引き離す大きな武器であることは間違いありません。正式にサービス開始されたとき、キャッシュレスの勢力図がどのように動くか楽しみなプロダクトの一つです。

実は、この記事で紹介した以外にもStar Pay端末というものもあったり、LINE Payに注ぐ情熱というものは圧倒的なものです。(加盟店向けLINE Payサービスはこちら

キャッシュレスについて真剣に考えないと…と頭を抱えているお店の経営者は、まずLINE Payを導入すれば間違いないと、はっきり申し上げておきます。LINE Pay ORIGINAL DEVICEのお申込みも開始されているので、興味があれば申し込んでみてください。