新店舗をオープンするにあたり、商品の開発・販売価格の決済、出店先の立地選定・外装内装など、こだわり抜いて準備を進めていることでしょう。お店を運営していくためには商品や店構えを整えるだけではなく、お会計を行うための「レジ」を設置する必要があります。
しかし…
初めてのレジ選びには多くの時間をかけて悩んでしまうかもしれません。なぜなら、「見た目」に重きを置くデザイン性に優れたレジは少なく、こだわり抜いたお店の雰囲気を損ねてしまう原因になりかねません。加えて、これまでのレジは高額である上に、複雑な操作性のインターフェイスで使いづらい部分もあります。操作に慣れたベテランのレジ担当者でも、操作性の悪さにストレスを感じながら業務に取り組むことになり、業務全体に潜在的な悪影響を及ぼします。
そこで、新店舗に導入するレジには下記の要素を求めたいところです。
- 細かな売上分析ができるPOS機能があること。
- デザイン性が高く、見た目が良いこと。
- 操作性が良く使いやすいこと。
- 長く使うために拡張性に優れていること。
- キャッシュレス社会を見据えてクレジットカード決済に標準対応していること。(VISA / MasterCardは必須。)
- 導入実績が豊富であり、サポート体制が整備されていること。
- クレジットカード決済分が翌日~1週間以内のサイクルで振り込まれること。(開業当初の資金繰りに困らないような環境)
デザイン性をテーマにした記事ではありますが、デザインが良いだけでは最適な選択とは言えません。デザイン・機能どちらを取っても最高なレジをご紹介したいと思います。
上記の要件を満たしたレジは「最高のレジ」です。これまでのレジは「最高のレジ」とは程遠いものでした。しかし、最近ではiPadにアプリを入れて、iPadをPOSレジ化させることができるようになっています。このようなものを「モバイルPOS」と言います。モバイルPOSなら上記の要件を簡単に満たすことができます。
この記事では、いくつかあるモバイルPOSの中から、独自にハードウェアを開発・展開している「Square」というサービスにスポットライトを当てています。下記の画像のようにスタイリッシュなデザインのレジを手に入れるなら「Square」を選択するほかありません。

このレジは、Square社が手掛ける「Square Stand」というプロダクトです。
この記事ではSquareというサービスのご紹介から、ハードウェアのSquare Standまで丁寧にご紹介していきます。
- Square Standの優れている部分が分かる!
- リクルートのAirレジ(Airペイ)ではなく、Squareをオススメする理由が分かる!
- Squareの将来性や拡張性の良さが分かる!
この記事のもくじ
Square Standのビジュアル


Square StandにiPadをはめ込むことで図1のような形になります。iPadに特化した作りになっており、スタイリッシュな見た目を実現しています。そして、お客さん側から見たSquare Standはシンプルなビジュアルでレジ特有の威圧感も抑えられています。

Square Readerはクレジットカード決済や電子マネー決済を受け付ける決済端末です。充電スタンドに設置すれば据置として。充電スタンドから取り外せば自由な場所でキャッシュレス決済を受け付けることができます。Bluetoothで接続するので超ストレスフリーです。
(※据置時は充電ケーブルが繋がった状態になります。)
ハイスペックな仕様でありながら、下記の決済に対応してます。
VISA、MasterCard、JCB、アメリカン・エキスプレス、ディスカバーカード、ダイナースクラブ
未定(2019年8月5日現在。以前こちらのページを確認したところ、一時的にこちらの銘柄が掲載されておりました。)
Squareは三井住友カードとの提携によって、日本で電子マネーを展開するため、クレジット決済端末機で対応している銘柄と同じ内容のサポートに期待しても良いかもしれません。
この記事では、優れたビジュアルを持ち合わせながら、申し分ない機能を備えた魅力的なプロダクトを丁寧にご紹介していきます。
Square Standとは?
Square Standは、SquareというモバイルPOS専用のハードウェアのことです。ここで出てきた「Square」と「モバイルPOS」という言葉について説明します。
Squareとは

アメリカのサンフランシスコに本社を構えるSquare社のモバイルPOSサービスです。
Squareは、お会計を行う「レジ機能」と商品毎の売上集計データで売上分析ができる「POS機能」が備わったモバイルPOSです。Google PlayストアやApp Storeで配布されているので、スマートフォンやタブレット端末にインストールすれば、端末をPOSレジとして利用することができます。
従来のレジと同様に、現金決済やクレジットカード決済にも対応しています。そして、Squareは三井住友カードと提携を行いまして、2019年内にFelicaの電子マネーに対応予定であると発表しています。(電子マネー対応は日本独自の仕様となります。)
本拠地のアメリカやカナダでは既に多くの店舗でSquareが導入されています。スモールビジネスを支える決済サービスとして広く普及していますが、日本でも三井住友カードとの提携やSquare Stand・Square Readerの投入によってSquareの勢いは加速するものと見られます。
注目すべきはSquareのサービス内容だけではありません、開発を行うSquare社にも大きな特徴があります。それは、世界中で人気SNS「Twitter」の創業者・CEOのジャック・ドーシーがSquare社のCEOを務めていることです。Twitterは1秒の間に同時に30,000ツイートを超える膨大な通信(リクエスト)を障害無く処理した実績があります。普通なら何らかの障害が起きてサービスが停止する規模を軽々と乗り越えてしまう技術力を持っています。そんなTwitter社のCEOがSquareを手掛けている訳ですから、Squareにも安定したサービスの提供を期待できます。
モバイルPOSとは

モバイルPOSは、スマートフォンやタブレット端末にアプリをインストールして使用するPOSレジのアプリケーションのことです。従来のPOSレジと同様に、商品管理機能、レジ機能、売上分析などができます。多くのアプリがクレジットカード決済に対応しています。
従来のPOSレジと言えば、大型で移動させることすら大変なものでした。モバイルPOSの端末はスマホやタブレットなので、片手で持ち運べる程のコンパクトさになっています。物販やお祭りなどの野外でもクレジットカード決済が可能になり、販売の形を大きく変える存在となっています。
現在では中小規模のお店で度々見かけるモバイルPOSですが、複数の店舗を一元管理する機能があるなど、次第にチェーン店などでも当たり前に導入される時代がやってくるものと予想されます。
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モバイルPOSはクラウド経由のPOSレジなので、サービス提供者のサーバーの処理能力と技術力に依存します。「決済機能」や「レジ機能」を要となるため、お店の開店時間に「システム障害が原因でレジが使えない」という状況は絶対に許されません。「安心して使える」に重点を置くならば、Twitterという大規模サービスを手掛けている実績は安心できる材料になります。
毎日使うレジであり、対面でお客さんのリアクションを直で受け取るからこそ、モバイルPOSにおいて安定性は特に重要視すべきです。
モバイルPOSの種類

アメリカ企業のSquare社が開発・運営する「Square」以外にも、日本企業が開発・運営しているものもいくつかあります。下記に代表的な日本のモバイルPOSをピックアップしました。
- Airレジ
- スマレジ
- Uレジ
他にも多数ありますが、中でも代表的なモバイルPOSだけを厳選しました。
日本企業のモバイルPOSでは、リクルートが展開する「Airレジ(Airペイ)」が大きなシェアを占めています。決してほかを圧倒するほどの機能を備えている訳ではありませんが、それでもシェアを獲得する理由は、リクルートのサービス(ホットペッパー)への掲載の営業と一緒にAirレジ導入の勧誘を行っているため。リクルートが構築した「受け身の事業者」を囲い込んでいるだけであり、「Airレジに惹かれた」と自ら選択した事業者は多くないはず。Cashless JAPANでは、営業の力によるシェアに惑わされず適切なレジを選んで頂きたいと思っています。
ぶっちゃけてしまうと、Airレジの選択だけは避けて頂きたい。
この理由は後述します。
まずは過去に各サービスの特徴を紹介した記事がありますので、そちらをご覧ください。
数あるモバイルPOSから「Square」を選ぶ理由
日本の大企業リクルートが展開するAirレジがありながら、なぜSquareをオススメするのか、理由を箇条書きで書き出してみました。
- 審査不要ですぐに使えること。
- クレジットカード決済に標準で対応していること。(VISA / MasterCardはすぐに使える、JCB等は審査が必要)
- 2019年内に電子マネーに対応予定であること。
- シリコンバレーで開発が行われていること。
- 独自にハードウェアを開発・販売していること。
- APIが開放されていること。
- 障害が発生すると、細かく進捗を報告してくれること。
以上の6つが主な理由です。いくつか説明が必要なモノもありますので、ピックアップして詳しくご説明します。
1.2019年内に電子マネーに対応予定である

2019年3月26日、Squareと三井住友カードは提携を発表しました。また、2019年内にFelicaの電子マネーに対応することも合わせて発表しました。海外では既に展開されていたSquare Readerを日本独自の仕様としてFelicaに対応させて販売を開始しています。
三井住友カードといえば、国際ブランド「VISA」のクレジットカード発行権(イシュアのライセンス)を日本で初めて獲得した歴史があります。日本では「クレジットカードが使えるお店=VISAが使える」とも言える規模にまでVISAの普及へと貢献した三井住友カードがSquareのパートナーとなったことは大きな意味があるでしょう。
2.シリコンバレーで開発が行われている

ユーザーの満足度を高めるためにはアプリの改善が不可欠です。高い頻度で質の高いアップデートを行うためには、開発組織のマネジメント力・開発力・スピード感が必要です。それを供給するのは優秀なエンジニアや優秀なプロダクトマネージャーなどの役職になります。プロダクトに携わる優秀な人材を確保できる環境が、良いアプリ制作に直結します。
つまり、良いアプリとは「優秀な人材が集まる地域で開発が行われているか」が重要なポイントになります。
Square社はサウスペイ(広義ではシリコンバレー)という地域に本社を置いています。周辺にはUberやAirbnbなど名だたる企業が多数存在します。そして、程近い場所にGoogleやApple、FacebookやTwitterなど名だたる企業が狭い範囲に集中しています。
世界のトップクラスの企業が集まり、世界中のエンジニアの憧れのシリコンバレーでSquareは開発されているのです。
3.独自にハードウェアを開発・販売している

Square社はSquareを快適に利用するため、独自にハードウェアを開発・販売しています。オリジナルのハードウェアでは、優れたデザインと優れた決済体験を実現しています。ハードウェアについては、過去に詳しく解説した記事がありますので、詳しくは下記をご覧ください。
4.APIがオープンに提供されている

API(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)とは、ソフトウェアの機能を共有し、外部のソフトウェアに取り込むことができるインターフェイスです。Aというアプリが持つ機能をBというアプリでも同様の機能を持たせることができます。また、機能を応用して発展した機能を独自に開発することも可能になります。
Square APIの場合は、サードパーティに対して多くのSquareの機能を提供しています。例えば、店舗AがSquareを使っておりサードパーティ製のアプリを連携したとします。すると、店舗Aの商品一覧を取得したり、商品の購入処理(在庫の増減を編集)するなど、Square上のデータをサードパーティ製のアプリから操作することができます。つまり、第三者がSquareのデータや機能を活用して発展的な機能を開発する環境が整っているのです。(※当然、ユーザーの許可無しにデータの編集はできません。Squareアカウント管理者が任意で連携した外部アプリだけがデータを編集できるため、セキュリティ上の心配はありません。)
「第三者がSquare上のデータを活用する」と聞くと危険なイメージを持つでしょう。しかし、昨今のアプリ事情では、こういった連携は当たり前に行われています。少なくともSquareアプリマーケットに掲載の外部アプリであれば、Square社のチェックを通過しているため、より安全性は担保されることでしょう。
世界中のエンジニアたちが業務効率化アプリを開発できる環境にあるのはSquareだけです。
5.障害が発生すると、細かく進捗を報告してくれる

上のリンクは2019年6月に発生した「電話サポートシステム障害による一時停止」という障害のステータスです。発生から1時間足らずで解決した事象ですが、計6回もの報告がされています。障害が発生すると不安になりますが、十分な情報を以て積極的に報告してくれる姿勢と迅速な解決力でユーザー(この場合のユーザーはお店を指す)を安心させてくれます。
Airレジの選択を避けたい理由

さて、この節の冒頭で述べた「Airレジの選択だけは避けて頂きたい」の理由について解説していきます。日本のモバイルPOSで広く普及するAirレジですが、これほど普及している背景にはリクルートの営業力があります。「ホットペッパー」に掲載している美容院・サロンや飲食店に対して、訪問の際に同時にAirレジ導入を勧めています。思考停止で受け身な経営者であれば、何も疑うことなくAirレジを導入することでしょう。
リクルートに対する印象は様々ですが、堀江貴文氏は「リクルートが狙っているのは情弱である」との見方をしています。
これには筆者も同意せざるを得ないと思います。「Airペイ」という決済サービスを例にすると、各種QRコード決済に対応していますが、決済手数料が3.24%に設定されています。実はコード決済は一つずつ契約をすれば手数料をグッと抑えることができるのですが、それを知らない事業者は搾取されることになります。
これでAirレジを導入すべきでない理由がお分かり頂けたと思います。情報に弱い者を食い物にしているリクルートに、お店の売上データを献上することになります。つまり、リクルートに全ての情報を握られることになってしまいます。これはかなり危険な状態であると言えます。
美容院・サロンでは、競合と戦っていくためにホットペッパーとの契約はほぼ必須でしょう。しかし、売上データまで献上する必要はありません。ビジネスで必要な部分はリクルートに乗っかり、必須では無い部分では脱リクルートを心がけていきましょう。
「リクルートに搾取される」以外にも、Airレジを避けるべき理由があります。下記にまとめましたのでご覧ください。
- クレジットカード決済をするには、決済サービス「Airペイ」の審査を通過する必要があること。
- メンテナンスの際にダウンタイムがあること。(メンテナンス中はオフラインモードで使う必要がある。)
- 商品画像が登録できない。
- リクルートに搾取される土台ができてしまうこと。
この中で致命的なものをピックアップして説明します。
1.メンテナンスの際にダウンタイムがあること
モバイルPOSのデータ処理はクラウド上で安全に行われています。「クラウド上」を言い換えると、サーバーということになります。POSサービスを提供するためには日常的なサーバーメンテナンスが欠かせません。メンテナンスの内容にもよりますが、場合によってサービスを停止しないと行えないものもあります。
AirレジとSquareではメンテナンスに大きな差があります。
ここでAirレジの直近のメンテナンス内容を見てみましょう。
https://faq.airid.airregi.jp/hc/ja/articles/360020002733
オフラインモードが使えるためメンテナンスの影響は無い…ように見えますが、よくご覧ください!
万が一、メンテナンス時間を把握できておらずログインを忘れていると、メンテナンス終了まで待たなくてはなりません。
この罠以外にも懸念点があります。
メンテナンス中にオフラインモードを勧めている点です。オフラインモードは緊急時に有効な仕組みですが、基本的には利用を避けるべきです。オフラインモードは下記のような問題点を抱えています。
<有効性のチェック>
オフラインモードではクレジットカードの有効性がチェックされないため、本来使えないカードでもその場では受け付けることになります。本決済時に無効であるとされた場合、後日個別に対応する必要があります。
<データ紛失の恐れ>
オフラインモードでは本決済はされず端末上にクレジットカード情報が保存されます。オンラインになったタイミングでサーバーに情報が送信され、決済処理が行われる仕組みですが、送信前にデータを紛失すると決済できなくなります。また、オフラインモードでクレジットカード情報の保管期間が定められているため、うっかりしていると大きな損失となる恐れがあります。
<誤ってログアウトすると詰む>
オフラインモードへの切り替えは、ログインをする必要があります。システムメンテナンス中はログイン機能が使えないため、誤ってログアウトをしてしまうとメンテナンス終了までレジが使えなくなります。
オフラインモードで営業することはできるものの、安全性という面では担保されておらず特別な理由が無い限り使用を避けたい機能です。メンテナンスを理由にリスクのあるオフラインモードを使わざるを得ない状況になるのは無責任と言わざるを得ません。
メンテナンス頻度は年に数回程度なので我慢すれば良いのですが、不定期に行われるメンテナンス情報を事前に仕入れておかないと大変なことになります。こういった小さなトラブルがストレスとなり、不満になることは間違いありません。
それに対してSquareは…
Squareはダウンタイム無しでメンテナンスが行われています。ダウンタイムの無いメンテナンスは高度な技術力を持っている証拠でもあります。劣った技術力のサービスの利用は、初歩的で致命的なプログラミングをしている可能性も否定できません。総合的に考えてSquareはかなり優秀なモバイルPOSです。
2.商品画像が登録できない


上の画像はAirレジとSquareの商品タイル(商品を選択する画面)の表示例です。サンプルデータを各アプリでサンプルデータを表示させた実際の画面です。
Airレジは商品画像を登録できません。レジ上では文字だけが表示されるだけ。視認性は最悪と言わざるを得ません。少しでも見やすくするために色付けを行いたいところですが、商品ごとに色付けすることすらできません。(カテゴリごとに色付けが可能)
商品に画像を付けて管理したくとも、「画像を付ける機能」自体が無いため実現ができません。ユーザーの選択肢を与えない最悪な仕様です。(※画像を排除することで、データトラフィックを軽量化したいのが目的と考えられます)
商品一覧は毎日見ることになる画面であり、少しでも視認性が高く、ストレスを感じにくいUIのモバイルPOSであるべきです。Squareなら画像を登録できますし、画像がなければ画像無しで管理できます。
まとめ:デザイン面・機能面どちらもSquareの圧勝!
Squareは独自ハードウェアを開発・販売しており、デザイン面や機能面どちらも優れたサービスであることがお分かり頂けたかと思います。
改めて「Squareを選ぶべき理由▼」を下記にまとめておきます。
次に、美容院・サロンを中心に導入されている「Airレジがオススメできない理由▼」も下記にまとめておきます。
美容院・サロン経営者の方では、ホットペッパーに登録しつつも、レジはSquareを導入するというように最適なサービスを選択するようにしましょう。
Squareはアメリカを中心に魅力的なプロダクトを展開しています。まだ日本上陸していないプロダクトも多数あり、Squareの将来はかなり明るいものです。海外ではSquare Registerという、iPadすら使用しないハードウェアが存在します。下記で取り扱っていますのでぜひご覧ください。
Squareについて詳しく知りたい方は、Square公式サイトをご覧ください。